ビートたけしとナディア・コマネチ。お笑い界とスポーツ界を代表するこの二人の名前を聞くだけで、多くの人々の心には懐かしさと笑いが蘇ることでしょう。特に、たけしの代表的なギャグ「コマネチ！」は、1980年代に日本中で爆発的な人気を誇り、今でもその知名度は衰えることがありません。しかし、このギャグの背後には、たけしとコマネチの間に隠された意外なエピソードがあります。

ギャグ「コマネチ！」の誕生

「コマネチ！」というギャグは、たけしが体操選手ナディア・コマネチのパフォーマンスにインスパイアされて作り出したもので、両手を大きく広げて腰を振る動作が特徴です。

コマネチは、1976年のモントリオールオリンピックで完璧な10点満点を初めて獲得した女性体操選手であり、その名は世界中に知られています。

たけしはこの偉業に感銘を受け、自身のコメディパフォーマンスに取り入れることで、彼女の名を広めることにも貢献しました。しかし、当初コマネチ本人は、自分の名前がギャグとして使用されていることを知らずにいました。

200万円の肖像権使用料

ある日、ナディア・コマネチが日本を訪れた際、彼女は自分の名前がギャグに使われていることに気付きました。このことから、たけしとコマネチの間で肖像権の問題が浮上し、たけしはコマネチの肖像権を尊重するため、200万円を支払うことを決めました。この金額は、当時としても異例であり、たけしの誠実さとプロフェッショナリズムを示すものでした。

「ワイドナショー」での告白

この出来事について、たけしはフジテレビ系「ワイドナショー」にゲスト出演した際に語りました。番組内で、改正商標法についての話題が取り上げられ、お笑い芸人によるギャグの商標登録や肖像権に関する議論が展開されました。

SMAPの中居正広が「たけしさんのコマネチは…」と質問すると、たけしは「200万円ぐらい払ったもん。（コマネチさんが）気付きやがって…」とジョークを交えて告白しました。

この発言に対し、ダウンタウンの松本人志は「え～っ！」と驚きの声を上げました。たけしのコメントには、彼のユーモアとコマネチへのリスペクトが感じられます。

たけしとコマネチの再会

その後、たけしとコマネチは再び日本で再会しました。二人は共に「コマネチ！」のポーズを取り、その姿が写真に収められました。この写真は、たけしの公式SNSでも公開され、多くのファンから喜びと感動の声が寄せられました。

ギャグの背後にある友情

「コマネチ！」というギャグは、単なる笑いの提供を超えて、たけしとコマネチの間に築かれた特別な友情を象徴するものとなっています。たけしは、自分のギャグに使用したコマネチの名前と動作に対する責任を果たし、コマネチもまた、たけしの誠実な対応を受け入れ、友好的な関係を築いてきました。