国民的アイドルとして、時代を駆け抜けてきた松田聖子。常に注目を浴び続け、華々しい活躍の裏では、数々の試練も経験してきた。中でも、最愛の娘・神田沙也加さんとの関係は、常に世間の好奇心の的となっていた。
2021年12月、突如として沙也加さんが35歳の若さでこの世を去ってから約2年。沈黙を守ってきた聖子が、ついに重い口を開いた。
9月上旬、都内で行われたチャリティイベント。多くの著名人が集う中、ひときわ注目を集めたのは、聖子の姿だった。喪服を思わせる黒いロングドレスに身を包んだ彼女は、憔悴した様子ながらも、時折見せる微笑みに、沙也加さんへの変わらぬ愛情が感じられた。
イベント終盤、聖子はステージに立ち、静かに語り始めた。「あの日から、毎日が沙也加の事を想わない日はありません。沙也加は、私の人生で一番の宝物であり、誇りでした。」言葉をつまらせながらも、時折笑顔を見せながら、沙也加さんとの思い出を語っていく姿に、会場は感動に包まれた。
特に、人々の心を打ったのは、沙也加さんの幼少期のエピソードだ。「沙也加は、本当に歌が大好きで、いつも私の真似をして歌っていました。ある時、私がレコーディングをしていると、スタジオの隅っこで一生懸命歌っている姿を見つけたんです。その姿が愛らしくて、思わず抱きしめてしまいました。」聖子の優しい眼差しからは、沙也加さんとの温かい日々が鮮やかに蘇ってくるようだった。
一方で、これまで明かされることのなかった、母娘の葛藤についても赤裸々に語られた。「もちろん、意見がぶつかることもありました。特に、沙也加が芸能界に入った頃は、私も同じ世界にいたからこそ、厳しく言ってしまったこともあったかもしれません。」と、当時の苦悩を吐露。
しかし、どんな時でも母娘の絆は揺るがなかった。「どんなに喧嘩をしても、最後はいつも笑顔で仲直りしていました。沙也加は、本当に優しい子でしたから。」と、聖子は涙ぐみながら語った。
そして、最後に聖子は、天に向かって語りかけるようにこう締めくくった。「沙也加、あなたは私の誇りです。天国で安らかに眠ってください。そして、これからもずっと、私を見守っていてください。」
35年の時を経て語られた、聖子の真実の告白。それは、愛と悲しみ、そして後悔が入り混じった、一人の母親としての切なる想いだった。
沙也加さんの死後、様々な憶測が飛び交う中で、沈黙を守ってきた聖子。今回の告白は、沙也加さんへの深い愛情を示すと共に、母娘の絆の強さを改めて世間に知らしめることとなった。