2016年、突如として所属事務所との契約トラブルが報じられ、芸能活動を休止した能年玲奈。その後、個人事務所を設立し「のん」として活動再開を果たすも、その間、宗教団体「幸福の科学」との関係が噂され続けてきた。沈黙を守り続けてきた彼女だが、ついにその真相を語り始めた。
ことの発端は、2015年に公開された映画「海街diary」での演技が評価され、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した時のことだった。授賞式のスピーチで、能年は当時の所属事務所社長への感謝の言葉を述べたのだが、その内容が、幸福の科学の教祖である大川隆法氏の著書から引用されたものではないか、と一部で話題になったのだ。
その後、能年と所属事務所との間で契約トラブルが発生。独立に至る過程で、幸福の科学への信仰が関係しているのではないかという憶測が飛び交うようになった。一部週刊誌では、能年が教団の信者である両親の影響を受け、幼い頃から信仰していたと報じられるなど、情報は錯綜。真相は藪の中だった。
沈黙を貫き、女優「のん」として新たな道を歩み始めた彼女だが、世間の好奇の目は冷めることはなかった。2019年、NHKのドキュメンタリー番組に出演した際、独立騒動について「何も言えなかった。怖かった」と当時の心境を吐露。しかし、幸福の科学との関係については、明確な否定は避けた。
そして2021年、ついに能年は沈黙を破る。自身のYouTubeチャンネルで、幸福の科学との関係について「一切関係ありません」と完全否定。 過去の報道については「事実無根」と断言し、「なぜこんなにも長い間、言われ続けなければならないのか」と、怒りを露わにした。
彼女の言葉は、長年囁かれ続けてきた疑惑に終止符を打つものだった。
しかし、独立騒動の真相や、当時の心境については多くを語らず、謎は残されたまま。「あの時、何があったのか」、世間は今もなお、彼女の口から語られる真実の言葉を求めている。
それでも、能年は「のん」として前を向いている。映画監督に挑戦するなど、表現者として活動の幅を広げ、その才能はますます輝きを増している。過去のしがらみを断ち切り、新たなステージへと進む彼女の未来に、期待は高まるばかりだ。