2023年4月、女優・若村麻由美(56)が14年間連れ添った夫であり、アパレル会社社長を務めていた小野兼弘さんを亡くした。死因は虚血性心不全。54歳という若すぎる死に、芸能界だけでなく、多くのファンに衝撃が走った。
才色兼備で知られる若村は、30代後半で結婚。お相手は4歳年下の実業家ということもあり、当時大きな話題となった。結婚会見では、小野さんの人柄について「穏やかで優しい心の広さ」に惹かれたと語り、互いに見つめ合いながら幸せオーラ全開の様子であった。
結婚後は、仕事をセーブしながらも女優業を続け、公私ともに順風満帆に見えた若村。しかし、2019年頃から夫の体調が徐々に悪化し始めたという。小野さんは心臓に持病を抱えており、入退院を繰り返す日々が続いた。
「彼はいつも私に『心配しないで、大丈夫だから』と笑顔を見せていました。でも、その笑顔の裏に隠された苦しみや不安を思うと、胸が締め付けられる思いでした」
そう語る若村の目には、最愛の夫を亡くした悲しみが今もなお色濃く残っていた。闘病生活を支え続けた14年間は、彼女にとって想像を絶するほど辛い日々だったに違いない。
小野さんの死後、注目を集めたのは、彼が築き上げた10億円とも言われる遺産についてだった。しかし、若村は遺産相続を放棄。その理由について、一部週刊誌では「再婚に備えて」などと憶測が飛び交ったが、真相は異なるようだ。
「遺産は、彼の会社を支えてきた社員の皆さんに、そして彼の夢を繋いでいくために使ってほしい。それが、彼への恩返しであり、私の願いです」
静かに、しかし力強く語るその姿は、夫への深い愛情と尊敬の念を感じさせる。
世間からの好奇の目に晒されながらも、自分の信念を貫き通す凛とした姿は、まさに“日本の女優”と呼ぶにふさわしいだろう。
一方で、若村といえば、過去に俳優・渡辺謙との交際が噂されたこともあった。2005年に舞台で共演したことがきっかけで急接近したとされ、当時、双方とも既婚者であったことから大きな波紋を呼んだ。
結局、決定的な証拠が出ることはなく、二人の関係は噂の域を出なかった。しかし、今回の夫の死と遺産相続に関する騒動を受け、一部では「渡辺謙との過去が影響しているのでは?」といった声が上がっているのも事実だ。
真実は、当事者のみぞ知る。しかし、最愛の夫を亡くし、深い悲しみの中にある若村にとって、このような詮索はあまりにも酷ではないだろうか。
静かに時が過ぎるのを待つ、そんな彼女の心中を察するに余りある。