個性派俳優として活躍し、多くの受賞歴を持つ樹木希林さん。その波乱万丈な人生や深い人生観、そして遺産額の驚きは広く知られています。しかし、彼女の遺産整理において夫・内田裕也さんには遺産を残さなかったという点に、多くの人が驚かされました。その理由には樹木希林さんのある思いがありました。
樹木希林さんは2003年、60歳の時に左目の視力を失うという突然の出来事に見舞われました。朝起きると左目が見えなくなっており、病院での検査の結果、網膜剥離と診断されました。手術を行わず、視力を完全に失った彼女は、その後も乳がんと14年間にわたって闘い続けました。全摘手術を受けた後も、癌は腸や副腎、脊髄にまで転移し、2013年には全身に広がっていることが公表されました。
彼女は鹿児島にある病院で最先端の四次元ピンポイント放射線治療を受けました。この治療は主要部位にピンポイントで放射線を照射するもので、2014年には治療が終わっていたそうです。「がんをやっつけようとは思わない、病気と一緒に生きていく時代ですよ」と語る彼女の姿勢は、多くの人に勇気を与えました。
樹木希林さんの生き方は慎ましく、それでいて芯の強さを感じさせるものでした。移動にはSuicaを使い、靴は一足しか持たず、人からのプレゼントは必ず断っていました。その理由は「粗末にしたら申し訳ないから」とのことでした。仕事の依頼もFAXと留守番電話で受け、マネージャーをつけずに自ら管理していました。
彼女の人生観について、「人は誰でもいろんな形で背負っているものがあるが、それだけが人生のすべてじゃない。驕らず、人と比べず、面白がって平気に生きればいい」と語っていました。この言葉には、彼女の強さと優しさが凝縮されています。
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