皇室という独特な環境の中で育った女性の一人、高松宮妃喜久子さま。彼女の人生は、普通では想像もつかないような運命に導かれていました。その中でも特に驚かれるのが、喜久子さまがわずか2歳の時に結婚相手が決まったという事実です。

幼少期に決まった結婚

喜久子さまが生まれたのは1911年、東京都文京区小石川にあるお屋敷でした。彼女は徳川家最後の将軍、徳川慶喜の孫として誕生し、母は有栖川宮家の王女という、まさに名門中の名門の家系に生まれました。このような名門の血筋に生まれた喜久子さまは、その幼少期から特別な運命に導かれていたのです。

彼女がわずか2歳の時、既に結婚相手が決定していました。大正天皇の第三王子、宣仁親王との婚約です。2歳という幼さでの婚約は、現代からは信じられないかもしれませんが、当時の皇族にとっては家柄や血筋を維持するために必要なものでした。喜久子さまの婚約の背景には、有栖川宮家が直面していた存続の危機がありました。有栖川宮家の当主、熾仁親王が急逝し、後継者がいないまま家系が断絶する恐れがあったため、大正天皇は自らの息子である宣仁親王を有栖川宮家の血統を継ぐ役目に据えることを決めました。

幼少期の思い出と祖父との別れ

幼い喜久子さまにとって、2歳での婚約はまだ理解できるものではなく、その後の人生を大きく左右する出来事として徐々に影響を及ぼしていきました。特に祖父である有栖川宮熾仁親王との別れは、彼女の人生に深い影響を与えました。祖父は喜久子さまを大変可愛がり、その愛情は家族内でも広く知られていたほどです。

しかし、2歳の喜久子さまにとって、祖父の死はまだ理解できない出来事でした。

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