日本の皇室と自動車との深い関わりは、百年以上にわたって続いています。皇室にとって自動車は単なる移動手段ではなく、国民との距離を縮めるための重要なツールでもあります。今回は、皇后雅子さまや上皇さまが愛用された車から、歴代の御料車まで、皇室と自動車の関係を一挙に振り返ります。
1997年5月、栃木県の那須御用邸での静養中、皇后雅子さまが愛車「カローラⅡ」を運転し、天皇陛下を助手席に乗せてドライブを楽しまれている姿が映像に残されています。当時、雅子さまは外務省に勤務しており、結婚後もマイカーで通勤されていました。その愛車でのドライブは、彼女にとって大切なリフレッシュの時間だったのかもしれません。
愛子さまが誕生された後も、雅子さまは那須や葉山で運転される姿が度々目撃されました。彼女の表情からは、運転を楽しんでいる様子がうかがえ、皇室の一員としての公務の合間に、プライベートなひとときを過ごされていたことが感じられます。
一方、上皇さまも自動車への強い愛着を持たれていました。特にホンダ「インテグラ」は、30年近く愛用された愛車として知られています。皇居でのテニスコートへの移動や、日常的なお出かけに使われ、その穏やかな運転スタイルから「幸せのインテグラ」として親しまれていました。
上皇さまは20歳の時に運転免許を取得され、若い頃から運転を楽しんでおられました。1955年には、愛車「プリンス・セダン」で箱根をドライブされた映像が残っており、皇室の歴史の中でも初めて自動車を運転した天皇として、その記録は貴重なものとなっています。
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