三淵嘉子（みぶち よしこ）は、日本初の女性弁護士として歴史に名を刻んだ偉大な人物です。しかし、彼女の個人的な人生、特に家族との関わりや再婚、5人の子供たちの現在については、あまり知られていません。

彼女を支えた両親の教育と影響

三淵嘉子が日本初の女性弁護士となるまでには、彼女の両親の教育が大きく影響しています。父・武藤貞夫は、当時の日本では珍しく、娘にも男性と同等の教育を施すべきだと考えていました。彼は幼い嘉子に、「ただの嫁ではなく、男と同じように政治や経済を理解し、専門的な仕事を持て」と言い聞かせていたのです。

一方、母・信子は父とは逆に、女性は家庭を守るべきという伝統的な考えを持っていました。嘉子が明治大学法学部に進学しようとした際、母は「嫁に行けなくなる」と猛反対。しかし、嘉子はその反対を押し切り、自らの道を切り開いていきました。両親の相反する価値観が、嘉子にとって人生をより強く生きる原動力となったことは間違いありません。

最初の夫・和田義雄との悲劇的な別れ

嘉子の最初の夫は和田義雄。彼は嘉子の実家で下宿していた青年で、彼女の父・貞夫の親友の甥にあたる人物でした。二人の結婚は、嘉子の父が後押ししたもので、戦前の時代にしては珍しく恋愛結婚に近い形で始まりました。二人は昭和16年に結婚し、翌年には長男・吉武が生まれます。

しかし、幸せは長くは続きませんでした。義雄は戦争に招集され、中国戦線に送られます。戦争が激化する中、彼は過酷な環境で病に倒れ、終戦後も健康が回復せず、帰国後に亡くなりました。義雄の死は、嘉子にとって大きな悲劇であり、彼女の人生に深い影を落とす出来事となりました。

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