出会い

クロアチアの路上で一匹の犬が住民たちから「悪魔」と呼ばれていました。その犬は、感染症により体中の毛が抜け落ち、目も異様な色をしていました。人々はその見た目に恐れをなし、犬を避けていました。しかし、この犬は実際には食べ物を探し歩き、日々弱っていく一匹の野犬に過ぎませんでした。

そんな彼の運命が変わったのは、クラウディアさんをはじめとする救助スタッフとの出会いによるものでした。クラウディアさんは「悪魔」と呼ばれる犬を救いに来た際、その見た目に驚愕しました。ガリガリに痩せた体、感染症に侵された目、そして体中に住みついたノミやダニ。

しかし、クラウディアさんはそれ以上に、この犬に奇跡が起きてほしいと強く願いました。

名前の贈り物

「悪魔」と呼ぶわけにはいかないと考えたクラウディアさんは、その犬に「フロド」という名前を付けました。幸せになってほしいという願いを込めて、新しい名前をプレゼントしたのです。骨と皮だけと言っていいほど痩せてしまったフロド。その体にはノミやダニが大量に住みついていました。

保護と治療

クラウディアさんたちはフロドの体を綺麗にし、少しずつ体重を増やす毎日が始まりました。感染症にかかっている両目の治療も開始されましたが、残念ながら右目は失ってしまいました。それでも、もう片方の目を守ることができました。クラウディアさんたちが救助してくれたおかげで、フロドはみんなから名前を呼ばれるたびに生きる気力をみなぎらせていきました。

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