23年前、アメリカ・フロリダ州に住むジャニス・ヘイリーさんは、ある日突然人生を大きく変える決断をしました。彼女が目にしたのは、新聞広告に載っていた「トラの訓練コース」の案内でした。その瞬間、彼女の心はトラに引き寄せられ、彼女は大金を払ってトラの赤ちゃんを購入することに決めたのです。
その日から、ジャニスさんの生活は一変しました。彼女の家には、ベンガルトラのジャンダと、ホワイトタイガーのセイバーという二頭のトラがやってきました。ジャンダはメスで体重180キログラム、セイバーはオスで体重272キログラムにまで成長しました。見た目は獰猛であるものの、ジャニスさんと過ごす時間の中で、彼らはすっかり彼女を母親のように慕う存在となっていきました。
ジャニスさんは、毎日二頭のトラと共に過ごし、食事の世話から毛づくろいまで、まるで自分の子供のように接してきました。彼女は朝から晩まで、時には10時間以上もトラの世話に費やし、トラたちも彼女に甘えるようになりました。セイバーはジャニスさんの手を優しく舐めるのが好きで、時には顔や額にキスをすることもありました。彼らにとって、ジャニスさんは単なる飼い主ではなく、まさに家族そのものでした。
彼女が二頭を育て始めた頃、トラの飼育はアメリカでは法律で禁止されていましたが、既に飼われているトラはその対象外でした。
ジャニスさんは、トラたちと共に過ごす日々をこう語ります。
「彼らと過ごす時間は、まるで子供と遊ぶ時間のように感じます。彼らが私を家族として受け入れてくれていることが、本当に嬉しいんです」。そして、彼女は無傷の手を誇らしげに見せながら、「これが私たちの友情の証です」と微笑んでいます。
トラたちは、見た目こそ巨大で威圧的ですが、ジャニスさんには決して攻撃的な態度を見せたことがありません。それどころか、彼女と一緒に砂の上で昼寝をしたり、水浴びを楽しんだりと、まるで大きな猫のように彼女に甘えます。ジャニスさんもまた、彼らと過ごす時間に大きな幸福を感じています。
しかし、ジャニスさんの挑戦はそれだけでは終わりませんでした。2007年、彼女はジャンダを亡くしましたが、すぐに生後わずか2週間のセイバーを迎え入れました。それ以来、彼女はさらにトラとの絆を深め、彼らとの生活を大切にしてきました。セイバーは、朝食前に必ずジャニスさんにキスをして感謝の気持ちを表し、彼女もまたその愛情に応え続けています。
ジャニスさんとトラたちの関係は、23年が経った今でも変わらず深い絆で結ばれています。彼女は、彼らをただのペットとしてではなく、家族として愛し続けているのです。この物語は、動物と人間の間に築かれる深い愛情と信頼の絆を、私たちに教えてくれます。
