昭和を代表する歌手であり女優でもある園まり。彼女は、その美しい歌声と控えめながらも強い意志を持った人物として、多くの人々に愛され続けました。しかし、そんな彼女の晩年は、予想外の孤独と病苦に彩られていました。

「３人娘」としての栄光の日々

園まりは1944年、神奈川県横浜市に生まれました。1962年に「梶谷のルンバ」でデビューし、その愛らしい容姿と独特の歌声で瞬く間に人気を博します。彼女は中尾ミエ、伊東ゆかりと共に「３人娘」として、当時の日本の音楽シーンを席巻しました。彼女たちは一世を風靡し、紅白歌合戦にも連続出場を果たすなど、まさに国民的アイドルとしての地位を確立しました。

園まりの代表曲「逢いたくて逢いたくて」は、彼女の甘い歌声が見事に表現された一曲であり、その後も「夢は夜ひらく」「何も言わないで」といった数々のヒット曲を世に送り出しました。彼女の歌唱は、ささやくように語りかける独特のスタイルで、多くのファンを魅了し続けました。

渡哲也との関係、そして告げられなかった想い

園まりが女優としても活動を広げていた1960年代、彼女は俳優の渡哲也と共演し、その際に彼への片想いが噂されました。特に「逢いたくて逢いたくて」が映画化された際には、渡哲也が共演しており、この作品を通じて二人の関係がクローズアップされたのです。

しかし、彼女は渡哲也に対してその想いを告げることはありませんでした。

園まりは、その控えめな性格からか、自分の感情を押し殺し、プロとしての距離を保ち続けました。この片想いは、彼女の心の中で一つの美しい記憶として残り、晩年に至るまで誰にも語ることはなかったと言われています。

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