深浦加奈子さんは、1960年4月4日に東京都杉並区で生まれ、明治大学を卒業後、1980年代に女優としてデビューしました。彼女は数多くのテレビドラマや映画で名脇役として活躍し、高い評価を得ました。

しかし、2002年の冬、ドラマ『美女か野獣』の撮影中に突然激しい腹痛に襲われ、診察を受けるも異常なしと診断されました。その後も痛みは続き、2003年春にはついに緊急入院。S状結腸癌と診断され、手術を受けましたが、癌はステージ3Bに進行していました。

手術後も深浦さんは女優業に復帰し、仕事を続けましたが、癌は再び彼女を襲い、肝臓や肺への転移が発覚しました。

度重なる治療にもかかわらず、彼女の体は限界に達していました。2008年の夏、最後の仕事としてナレーションを担当した深浦さんは、広島での収録を終えた後、家族と共に過ごしました。その間、友人の戸田恵子さんが見舞いに訪れ、深浦さんは「また会おうね」と小指で約束を交わしました。

8月25日22時57分、深浦加奈子さんは息を引き取りました。彼女の遺言には、愛猫ニコラスへの財産の寄贈と、自身の遺骨を海に散骨することが記されていました。

告別式は親しい関係者のみで行われ、松嶋菜々子さんや小泉今日子さんなど、多くの共演者が参列しました。深浦さんの最後の舞台挨拶を見た人々は、彼女の強い意志と生き様に深く感動しました。彼女の闘病生活と最後の言葉は、多くの人々の心に刻まれ、今も語り継がれています。