山本由伸――その名を聞くだけで、今や全米の野球ファンが注目する存在となっている。ドジャースのエースであり、日本が誇る右腕ピッチャーである彼は、今シーズンもまたファンを魅了する投球を見せつけている。ブレーブスとの一戦は、その象徴ともいえる試合だった。

苦境からの復帰戦

ブレーブスとの対戦は、山本由伸にとって重要な一戦だった。今季は怪我により長期離脱を余儀なくされ、復帰後の登板も限られている。ロバーツ監督も試合前、「今季も残り少ない試合だ。彼には時間が限られているが、すべての登板が大事だ」と強調した。その言葉通り、山本は復帰登板のプレッシャーを感じながらも、粘り強い投球を見せた。

この日の山本は調子が悪いながらも、見事な対応力を発揮。初回こそ制球が乱れ、フォアボールとスミス捕手の悪送球でピンチを迎えたが、何とか無失点で切り抜けた。

2回、3回と得点圏にランナーを背負う場面が続くも、巧みな投球術とチームメイトの好守備に助けられ、ピンチを乗り越えていった。

特に3回には、相手打者に二塁打を許しながらも、エドマン選手とスミス捕手による中継プレーでランナーを本塁手前でタッチアウトにした瞬間、山本はガッツポーズを見せた。その姿に、米国スポーツ専門局の解説者たちも「野球の美だ」と称賛したほどだ。

粘り強さと成長

四回まで毎回先頭打者に出塁を許しながらも、山本は無失点を維持。球数がかさむ中でも集中力を切らさず、なんとか4回を投げきった。

その投球内容について、山本自身も試合後に「今日は本当に厳しい内容だったが、一人一人に集中して投げることを心がけた」と振り返った。

特にこの日は、通常あまり投げないカットボールを多用。スミス捕手が「彼のカットボールが冴えていた」と語るように、この戦術が功を奏し、相手打者を翻弄した。試合を通じて、山本の投球には目を見張るものがあり、観客も彼の投球術に引き込まれた。

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