昭和の時代、社員旅行は会社の一大イベントでした。写真に映るのは、まさにその時代を象徴する一場面。何百人もの社員が一堂に会し、浴衣姿で大宴会を楽しむ光景です。宴会場には長いテーブルが並び、料理と酒が所狭しと並べられています。社員たちの笑顔と活気が伝わってきます。
このような大規模な宴会を取り仕切る幹事は、大変な役割でした。宴会が始まる前から、準備や手配に追われ、当日も休む暇がありません。「お〜い幹事!酒無いよぅ〜幹事悪いぞ!」と叫ばれることもしばしば。
宴会では、「今日は無礼講だ〜なんでも言っていいぞ!」という声が飛び交います。社員たちは普段言えない本音を語り合い、笑い合います。しかし、真に受けてしまうと、翌年には僻地に飛ばされることもあるのが昭和の怖さ。宴会が終わった翌日、思わぬ展開が待っていることも少なくありません。
ある年の社員旅行では、女子社員と係長の不倫が発覚しました。宴会の席での親密な様子が噂となり、奥様が会社に乗り込んできたのです。これには全社員が驚きました。不倫関係が明るみに出たことで、会社内の人間関係が大きく揺らぎました。
社員旅行は、社員同士の絆を深めるだけでなく、人間模様を観察する絶好の機会でもありました。上司と部下、同僚同士の関係が一夜にして変わることもあります。宴会での振る舞いや言動が、その後の職場での立ち位置を左右することも少なくありませんでした。
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