渡辺リサは17歳という若さで母親になった元シングルマザー。広島東洋カープの大ファンであり、スタジアムで選手たちを応援するのが何よりの楽しみだった。ある日、試合後に選手たちが出てくるのを待っていると、目の前に現れたのが小園海斗だった。その瞬間、渡辺の心は激しくときめいた。彼女はその魅力的な姿に一目ぼれし、そのまま家に帰ることができず、思い切ってインスタグラムで小園にダイレクトメッセージを送る決心をした。

しかし、渡辺のメッセージに対する小園の反応は冷たいものだった。小園は当時、渡辺に対してまったく興味がなかったのだ。送られてきたメッセージに対しても、返信はただ「家で飼っている犬の写真」だけ。まるで会話を遮るかのような塩対応だった。渡辺はがっかりしたが、それでも諦めなかった。

それから少しずつ、渡辺は友人を介して小園と交流を持つようになった。最初は友人たちと一緒に遊ぶことが多かったが、初めて二人で会った時、渡辺は小園の腕を組んで座っている姿に驚いた。彼のクールで無表情な態度に、渡辺は「怖い人だ」と感じ、初対面の印象は最悪だった。しかし、不思議なことに、小園の妹と渡辺がすぐに打ち解け、仲良くなる様子を見た小園は、その瞬間から態度が一変したのだ。

それからは、徐々に小園も渡辺に対して心を開き始めた。彼の態度が柔らかくなり、優しさを見せるようになった。その優しさに触れるたびに、渡辺の心はますます小園に引き寄せられていった。

渡辺には一つの願いがあった。それは、娘が保育園に入る前に結婚することだった。しかし、彼女はその思いを小園に伝えるかどうか迷っていた。自分たちの関係が本物になるか、それともこれで終わるか。その答えが見えないまま、渡辺は小園に対して「これ以上はもう無理」と伝えようと決意した。彼女は「この関係を続けるなら、もうやめる」と真剣に告げた。

その言葉に対して、小園は驚き、そして泣き出した。彼は自分でも気付かないうちに、渡辺に強く惹かれていたのだ。小園は涙ながらに「最後にもう一度だけ会いたい」と懇願した。その最後の機会に、小園はついに自分の気持ちを正直に告白し、渡辺との交際が始まることになった。

二人の関係は、まるで運命に導かれたような出会いから始まった。最初は互いに距離を感じていたが、少しずつ歩み寄り、心を開いていった。渡辺の忍耐と小園の変化は、単なる恋愛以上の絆を生み出し、二人はついに結ばれたのだ。今では、小園と渡辺はお互いを支え合いながら、共に幸せな未来を歩んでいる。彼らの出会いは、まさに奇跡のような物語であり、多くの人々の心を温めている。