第33回の「光る君へ」では、藤原道長の政治的な思惑と、まひろ(紫式部)の文学的才能が交錯する、興味深い展開が描かれます。物語の舞台は、宮中の厳しい環境の中で、まひろが自らの使命を果たそうと奮闘する場面が中心となります。
中宮藤原彰子(あきこ)に仕える女房たちの中で、まひろは特別な立場にありました。彼女は一条天皇のために物語を書くという重要な役割を担っていましたが、それが周囲の嫉妬や不満を引き起こしていました。特に、高い身分を誇る他の女房たちは、低い身分のまひろが特別待遇を受けていることに不満を抱いていました。
まひろは「紫式部」と呼ばれ、執筆のための特別な部屋を与えられました。しかし、宮中の喧騒の中で、集中して物語を書くことは容易ではありませんでした。周囲の女房たちは中宮彰子の世話や、貴族たちとのやりとりに忙しくしており、その合間にまひろも彼女たちを手伝わなければなりませんでした。こうした忙しい日々が続く中で、まひろは次第に疲れ果て、執筆の進行が滞っていきました。
疲れ切ったまひろは、藤原道長に実家に戻って執筆を続けたいと願い出ます。道長は当初、この要望に難色を示しましたが、まひろが物語の続きができたら再び宮中に戻ることを約束したため、しぶしぶそれを了承します。道長は、彰子がもし皇子を産まなければ、一条天皇が他の女性に心を寄せる可能性があることを認識していました。そのため、まひろの物語が一条天皇の心を掴むことを期待していたのです。
まひろは実家に戻り、集中して執筆に取りかかります。
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