紫式部が特に親しかった女房たちの中で、大納言の君と小少将の君という姉妹の生涯について紹介します。姉妹は、友子という名前の執事に生まれながらも、次々と貢献を失い、最終的には宮中から没落してしまいました。その背景には、紫式部と似たような境遇があるため、年齢や身分差を超えた深い関係が築かれていたことが伺えます。
大納言の君は、藤原道長との男女関係が噂された女房であり、同じく道長との関係が噂されるメシ度(女房)の立場にありました。紫式部は、正式な妻ではないメシ度に対して深い理解を示しており、お互いの辛さを分かり合うことで強い信頼関係を築いていました。大納言の君と紫式部は、共にその苦しみを共有し、支え合う存在となっていました。
一方、妹の小少将の君は、姉とは対照的に内向的な性格であり、辛い境遇に悩みながらも紫式部を頼りに宮中での役目を果たしていました。姉妹は不幸の連続の末に宮中から追放されることになりましたが、紫式部との交流が彼女たちの心の支えとなっていました。
姉妹がどのようにして貢献を失っていったのか、その理由は様々です。大納言の君と小少将の君は、源の時見という人物の娘として生まれました。父の源の時見は、藤原家と肩を並べるほどの地位を持っていましたが、987年に突然出家してしまいました。これにより姉妹は路頭に迷い、貢献を失っていくこととなります。
姉妹の生活は困窮を極め、明石に引き取られることとなりますが、家族が落ちぶれていく中で姉妹の生活も厳しくなります。
しかし、999年に尾の友子が一条天皇に取り立てられたことで、姉妹には再びチャンスが訪れます。
友子は、姉妹を宮中に迎え入れ、彼女たちの能力を活かそうとしました。姉妹は、明子の中宮大部として働きながら、道長との関係が噂されたこともありましたが、最終的には、明子の中で重要な役割を果たしました。
紫式部との交流は、姉妹にとって大きな意味を持ちました。特に、小少将の君は紫式部との親密な関係を築き、日常的に交流を深めました。式部が現地物語を執筆していた頃、彼女の悩みや辛さを分かち合う存在として、小少将の君は重要な役割を果たしていました。
その後、姉妹の運命はそれぞれ異なり、大納言の君は宮中での役割を果たし続けましたが、最終的には没落していきました。小少将の君は、その引っ込み事案な性格から、宮中での活躍は限定的でしたが、式部との深い絆は変わらず、互いに支え合う関係を続けていました。
大納言の君と小少将の君の生涯は、紫式部との交流を通じて、その苦悩とともに綴られました。式部は、姉妹との関係を通じて、当時の貴族社会の複雑さや女性たちの辛さをより深く理解し、彼女たちの姿を物語の中に映し出していたのでしょう。