「言い方が悪いかもしれませんが、満足に使えないのにセルフレジを使う人にはイライラしますね。遅いし、いちいち店員を呼ぶし、大人しく有人レジに並べばいいと思います」と都内で一人暮らしをする知人の40代サラリーマンは苦笑いする。スーパーマーケットやコンビニエンスストアのセルフレジ、セミセルフはコロナ禍をきっかけに一気に増えたように思う。しかし、まだ過渡期だなと思うこともある。
「ああいうものにも慣れというか、年齢とかいろいろ、向き不向きがあるのだなと思います。遅い人は本当に遅いし、いつまで経ってもレジで四苦八苦という人もいます。忙しいときなど正直なところ、迷惑です」と続ける彼の意見は、確かに多くの人々に共感されるだろう。
筆者が趣味の会で接する高齢の方々に聞いてみたところ、「セルフレジは苦手」という人が大半だった。それぞれの言い分は次の通りだ。
「後ろでたくさん並ばれて、あせっちゃうことはあります。とくに買い物が多いと余計に間違っちゃったりして」 「選択肢が多すぎてわからないんだよ。私は最初から大人しく店員さんのいるレジに並ぶよ。駅とかにある無人レジだけの店は入らないね」 「あの手で持って『ピッピ』ってするやつ、あれがなかなかバーコードに『ピッピ』してくれないのよ。バーコードがどこかわかんない商品とかもあるし、後ろに並ばれるとやっぱりあせるわね」 「なんか抵抗あるね。金払ってるのに泥棒してるみたいな感じだし、店員に見られてるし。間違って万引き犯にされても困るし、人生残り少ないから慣れなくていいかな、普通のレジ(有人レジ)で買うよ」
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