2023年3月28日、ドジャーススタジアムでの開幕戦で大谷翔平が本拠地デビューを果たしました。観客席はスタンディングオベーションで迎え、会場は大歓声に包まれました。しかし、この華々しい舞台に至るまで、大谷には激動の数日間があったのです。そして、彼の隣には長年のパートナーであった水原一平の姿はありませんでした。

大谷翔平と水原一平の物語は、2013年に始まります。当時、水原は日本ハムファイターズで外国人選手の通訳を務め、彼らの生活を支えるために、食事や買い物の手伝い、練習のサポートまで行っていました。その献身的な姿勢は高く評価され、選手たちからも「一平ちゃん」と親しまれていました。その後、18歳の大谷翔平がファイターズに入団し、彼と水原の信頼関係はさらに深まっていきました。

2017年のオフシーズン、大谷がメジャーリーグへの挑戦を決意した際、彼は専属通訳として水原を指名し、エンゼルスと契約を結びました。水原は通訳の役割にとどまらず、運転手や自主トレのサポート、食事の手配、メディア対応の窓口、そして乱闘が起きた際には大谷を守るボディガードまでこなしました。大谷の生活は水原なしでは成り立たないとまで言われるほどで、二人の間には深い信頼が築かれていました。

しかし、その信頼が裏切られることになるとは誰も予想していませんでした。2021年、大谷が二刀流として本格的に復帰し、リーグでトップクラスの成績を収める一方、水原はサンディエゴ遠征中に違法なスポーツ賭博に関与してしまいます。水原は熱心なギャンブル愛好家で、裏社会のギャンブラーと接触し、徐々に賭博の深みに嵌っていったのです。

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