昭和の風景を振り返ると、そこには現代では考えられないような情景が広がっています。特に、1977年(昭和52年)の七里ヶ浜で撮影された一枚の写真は、見る者を驚かせるものでした。電車と馬が交差するその光景は、当時の七里ヶ浜の特徴をよく表していると同時に、昭和の時代を感じさせる貴重な一瞬でもあります。
写真に写る江ノ電と、その前を横切る馬に乗った男性。この驚きの光景が撮影されたのは、1977年3月の七里ヶ浜駅近くの踏切でした。当時、この辺りには乗馬クラブがあり、馬に乗って移動することが一部では日常的だったのです。現代ではなかなか見られない光景ですが、昭和の時代にはこのような場面が見られる場所もあったのです。
乗馬クラブは、特に都市部から少し離れた場所で人気を集め、都会の喧騒を離れたリラックスした時間を過ごすためのアクティビティとして広く受け入れられていました。七里ヶ浜もその一つの場所であり、海沿いの風景と相まって、乗馬体験は多くの人々に親しまれていたのです。
七里ヶ浜といえば、江ノ島電鉄(江ノ電)が走る美しい海岸線が印象的ですが、その風景の中に、馬が自然に溶け込んでいたことは驚きです。昭和の時代には、まだまだ自然と共に生きる生活が残っており、都会の近代化と田舎の風情が共存していた時代でもありました。
この時代、七里ヶ浜周辺では地元の住民だけでなく、観光客も多く訪れていましたが、馬が通りを行き来する様子は特に珍しくなく、観光客たちもそれを楽しんでいたことでしょう。写真に写る人々の表情からは、馬と電車の組み合わせに驚きながらも、その光景を自然に受け入れている様子が伝わってきます。
このような風景が見られた背景には、昭和の時代特有の「混在する時代」があります。高度経済成長を経て、急速に都市化が進む一方で、地方や郊外ではまだまだ昔ながらの風景や生活が残されていた時代です。江ノ電のようなレトロな電車と、乗馬クラブの馬が共存するというのは、まさにその象徴と言えるでしょう。
都市化が進むと同時に、人々は自然との触れ合いを求めていました。乗馬やハイキング、釣りなどがその代表例です。特に七里ヶ浜は、海と山が近接しており、都会の喧騒から逃れてリフレッシュするのに最適な場所でした。
現代においては、馬が街中を歩く姿はほとんど見られません。都市化が進み、車や電車が主な移動手段となった現在では、乗馬クラブも都市部からは姿を消しつつあります。しかし、昭和の時代には、こうした異なる世界が共存していたのです。
この写真を見ることで、私たちは昭和の生活の一端を垣間見ることができます。日常の中に非日常が混在していた時代、その中で育まれた豊かな文化や人々の生活様式が現代にも通じる価値を持っていることを再認識させられます。
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