2024年6月12日、壮麗なホテル「クリブデンハウス」を舞台に開催されたRMサザビーズのオークション「Cliveden 2024」で、注目を集めた一台のフェラーリが新たなオーナーの手に渡りました。その車は、フェラーリ愛好家の間で「もっとも美しいフェラーリ」と称される250GTルッソ。
フェラーリ250GTルッソのエレガンスと性能
フェラーリ「250GT/Lベルリネッタ」は、1962年にパリモーターショーでそのプロトタイプが発表され、1964年まで生産されました。イタリア語で「ラグジュアリー」を意味する「ルッソ」の名を冠したこのモデルは、2953ccのコロンボV12エンジンを搭載し、240psを発揮することができる。
当時、最速の市販スポーツカーの一つとして知られていました。
ルッソの真髄は、パフォーマンスだけでなく、その洗練されたスタイリングにあります。スウィープラインと優美なカーブが織りなすボディラインは、見る者を魅了し続けています。その美しさの証として、映画スターのスティーヴ・マックイーンや世界的な指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤンといったセレブリティたちが、この車を愛してやまなかったのです。
特別なボディワークとその歴史
今回オークションに出品されたシャシーナンバー「4383」の250GTルッソは、世界的なフェラーリ権威、マルセル・マッシーニ氏のレポートによれば、1963年3月にマラネッロ工場でラインオフされ、同年4月にイタリア・ボローニャのディーラーに納車されました。
初代オーナーのルチアーノ・ペデルツァーニは、その後、このルッソに対し、名匠ファントゥッツィによるボディカスタムを依頼し、唯一無二のスタイルを実現しました。
ファントゥッツィは、フェラーリ「330LMB」や「250GTO」にインスパイアされたデザインを採用し、ルッソに独自のエアインテークやエアベントを追加。
さらに、グリルの変更や、ヘッドライトの位置変更など、細部にわたるカスタムが施されました。この改造により、シャシーナンバー「4383」のルッソは、唯一無二の存在として、その価値をさらに高めたのです。
英国でのリストアと著名なオーナー
1968年にアメリカへと輸出されたこの車は、その後ニューヨーク、テキサス、ハワイとオーナーを変えながら、その独自のスタイルを保ち続けました。2005年にはアメリカ本土に戻り、サンフランシスコでのカーウィークに展示されるなど、注目を集め続けました。
2011年には英国に送られ、フェラーリスペシャリスト「DKエンジニアリング」によるフルレストアが施されました。
このリストアにより、250GTOの金型と図面が正確に縮尺され、アルミ製ボディワークが再現されました。その後、フェラーリの熱心なコレクターであり、ラジオ/テレビ放送作家としても著名なクリス・エヴァンスの手に渡り、一時所有されることとなります。
最終的な落札とその価値
クリス・エヴァンスの所有後、英国のクラシック・フェラーリ専門店「タラクレスト」を介して、現オーナーの手に渡ったこのルッソは、2024年6月のオークションで113万ポンド(約2億2300万円)という価格で落札されました。エスティメート範囲内での落札となり、この車の希少性と、その歴史的な価値が再び証明された瞬間でした。
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