1947年(昭和22年)、戦後の東京、丸の内。この写真には、物乞いをしている傷痍軍人の姿が映し出されています。戦後の混乱と苦しみがまだ色濃く残る時代、彼らの姿は多くの人々の心を打ちました。
傷痍軍人とは、戦争で負傷し、帰還した元軍人のことを指します。戦地で受けた傷は肉体だけでなく、心にも深い傷跡を残しました。戦争が終わった後も、彼らは復員し、新たな生活を始めるために様々な困難と向き合わなければなりませんでした。
写真の中の軍人の隣には一匹の犬がいます。犬の首には小さな籠がぶら下がっており、一人の女性がその籠にお金を入れようとしています。飼い犬は軍人の唯一の友であり、彼を支える大切な存在だったのでしょう。犬と共に過ごす日々は、彼にとって心の安らぎを与えていたに違いありません。
戦後の街角には、白装束を纏い、アコーディオンで軍歌を奏でる傷痍軍人の姿も見られました。彼らは、自分たちの存在をアピールすることで、人々の助けを求めていました。アコーディオンの音色と共に響く軍歌は、戦争の記憶を呼び覚まし、平和の大切さを訴えていました。
戦後の東京は焼け跡が広がり、バラックが立ち並んでいました。しかし、復興が進むにつれて、これらのバラックは昭和30年代前後から徐々に姿を消していきました。同様に、街角にいた傷痍軍人たちの姿も、1964年の東京オリンピック後には次第に見られなくなりました。
市川崑監督の記録映画「東京オリンピック」の冒頭シーンでは、戦後間もなく建てられたビルを壊す場面が映し出されています。このシーンは、日本が新たな時代へと歩み始める象徴でもありました。
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