パリ五輪第3日、柔道競技がシャンドマルス・アリーナで開催され、男子66キロ級において阿部一二三(26歳)が見事に金メダルを連覇しました。彼は妹の阿部詩(24歳)の思いを背負い、決勝でブラジルのウィリアン・リマを下しました。阿部一二三の連覇は、日本柔道界にとって8人目の快挙であり、男子では5人目の偉業です。
この日の試合は、阿部一二三にとっても特別なものでした。妹の詩が女子52キロ級で2回戦敗退という結果に終わった中、一二三はその苦しみをも乗り越えて戦い抜きました。「妹が負けてしまって僕自身も苦しい一日になったけど、妹の分まで兄が頑張らないと」という言葉に、兄妹の強い絆が感じられました。
準々決勝では、タジキスタンのエモマリとの試合中に鼻血が出るというアクシデントにも見舞われましたが、彼は見事に一本勝ちを収めました。準決勝では初めて延長戦に突入しましたが、払い腰で技ありを奪い、決勝に進出。決勝でも冷静な試合運びで勝利し、日本男子5人目の金メダル連覇を達成しました。
スタンドで見守っていた詩は、兄の金メダルが決まった瞬間、涙を流しながら拍手を送りました。自身の敗北から約7時間後、彼女は兄の快挙を心から喜ぶ涙に変わりました。
東京五輪では、丸山城志郎(30歳)との激しい代表争いを経て、24分間の死闘を制した経験が一二三の自信となっています。「東京五輪までの過程で一回りも二回りも強くなっていると実感できた。その時の経験や気持ちが自分の強み」
と彼は語ります。パリ五輪に向けて、彼はその経験を生かし、無敗の3年間を駆け抜けました。
一二三は、これまで以上に徹底した準備でパリ五輪に臨みました。減量も約6週間かけてじっくりと進め、試合数日前には「ほぼ終わっている」という状態に仕上げました。また、プロボクシング世界王者・井上尚弥の試合を観戦し、彼の姿に自分を重ねることで、さらに気持ちを引き締めました。
パリでの試合では、アウェーの状況を想定して臨んでいましたが、柔道大国フランスの観客からは称賛の拍手と歓声が送られました。
一二三と詩の背後には、彼らを支え続けた恩師の存在があります。恩師との約束を胸に、一二三は試合に挑みました。彼の金メダルは、恩師への感謝の証でもあります。
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