2024年8月31日から9月1日にかけて放送された「24時間テレビ47」。今年のチャリティマラソンに挑んだのは、お笑いタレントのやす子さん。彼女の走りにより、番組は全国の自動保護施設に向けて約4億3800万円の募金を集め、感動的なフィナーレを迎えたように見えました。しかし、その成功の裏側では、賛否が分かれるさまざまな問題が浮上しました。
やす子さんの奮闘は、多くの視聴者の心を打ち、彼女自身の高感度を大いに引き上げました。マラソン完走の努力が評価され、視聴率も昨年を上回り、寄付金も大きな額に達しました。やす子さんがいなければ、今年の「24時間テレビ」は語れなかったでしょう。
しかし、ネット上では番組に対する批判が続出しました。一部の著名人がその意見を投稿し、番組のあり方について疑問の声を上げました。2ちゃんねるの解説者である西村弘幸氏は、自身のX(旧Twitter)に「24時間テレビが哀れみを強調し、優秀な障害者を排除しているのではないか」とコメントしました。この意見は、障害者を「不幸」として固定化する視点が問題であるとするもので、多くの賛同を集めました。
また、やす子さんのマラソンのギャラについても話題になりました。ネット上には「チャリティマラソンのギャラが1000万円だったが、実際は一銭も受け取っていない」との投稿が流れました。これに対し、やす子さん自身が「一銭も受け取っていない」と否定しましたが、過去には出演者がギャラを受け取っていたとされており、その不一致が疑問を呼びました。
批判はさらに広がり、「24時間テレビはタレントにギャラを払わず、視聴者から募金を集め、CM収入はテレビ局が得るだけではないか」といった疑問が投稿されました。日本テレビはCMの広告収入を得ており、制作費の大半を回収しているとされていますが、やす子さんだけがノーギャラで出演することが正しいのか、またそれによって視聴者からの募金が正当に使われているのかという点が問題視されました。
「24時間テレビ」に出演した芸能人の評価も分かれました。やす子さんと同様に好感度を上げたのが、世界的ミュージシャンのYOSHIKIさんです。彼は、10月に予定されている緊急手術に備えながらも、ピアノの生演奏で番組を盛り上げ、ギャラは寄付すると公表しました。YOSHIKIさんのチャリティ精神は多くの視聴者に感銘を与えました。
一方、批判の対象となったのは、お笑いコンビ「クリームシチュー」の上田晋也さんです。今年はメインパーソナリティを置かず、総合司会を務めましたが、彼の軽妙なツッコミが裏目に出てしまったようです。視聴者からは「共演者に対する接し方が不快だった」「バラエティ色が強すぎて番組の趣旨に合わない」といった声が上がりました。
「24時間テレビ」の存在意義についての議論は、年々激化しています。今年の放送後も、多くの問題が指摘され、番組のあり方が問われています。寄付金の使い道やタレントのギャラ問題、そして番組のコンセプトについての見直しが求められる中、日本テレビはどのような対応をするのでしょうか。また、上田晋也さんの今後の活動にも注目です。
このように、24時間テレビは毎年多くの議論を呼び起こしますが、その中でどう進化していくのか、そして視聴者の期待に応えられるのかが問われています。来年の放送に向けて、日本テレビと出演者たちがどのように取り組んでいくのか、引き続き注目していきたいと思います。