パリ五輪第3日、柔道競技がシャンドマルス・アリーナで開催されました。阿部詩(24=パーク24)は、女子52キロ級で金メダルの期待を背負って臨んだものの、まさかの2回戦敗退という結果に終わりました。彼女は世界ランキング1位のウズベキスタンのケルディヨロワと対戦し、序盤に技ありを奪ったものの、終盤で逆転の一本を許して敗北しました。
阿部詩が畳に倒れ込む姿は、観衆の心に深い衝撃を与えました。信じられない現実を前に、彼女はぼう然と座り込み、涙を流しました。コーチの平野幸秀の肩を借りて退場する際には、会場から「ウタ」コールが沸き起こりました。泣き叫ぶ彼女の声が会場に響き渡り、その悲痛な姿は観衆の心に深く刻まれました。
阿部詩が2回戦でケルディヨロワと対戦することになった背景には、先月確定した五輪ランキングの影響がありました。昨年10月の国際大会を欠場したために、詩はランキング9位となり、シードに入らなかったのです。これにより、2回戦で世界ランク1位との対戦が決まってしまいました。
阿部詩は初戦では長野県出身の出口ケリー(カナダ)と対戦し、開始57秒で大外刈りによって勝利を収めました。しかし、その後の試合でケルディヨロワに敗れるという結果になりました。これは、彼女にとって5年ぶりの黒星であり、無敵の女王としての地位に大きな影を落としました。
阿部詩は東京五輪で金メダルを獲得して以来、無敗を誇っていました。
昨年の世界選手権でも2年連続4度目の優勝を果たし、パリ五輪でも金メダル候補の筆頭として期待されていました。東京五輪後、両肩の手術を受けて不安を払拭し、技術、心、体の全てが揃っていると自信を持っていました。
阿部詩の敗北から40分後、兄の阿部一二三(26=パーク24)が男子66キロ級の試合に臨みました。妹の敗北という難しい精神状態の中で、一二三は冷静に試合を運び、技あり2本で勝利を収めました。彼もまた、金メダル連覇を目指して奮闘しました。
試合後、阿部詩は過呼吸を発症し、周囲のサポートを受けていました。取材エリアでは、日本オリンピック委員会(JOC)の広報が「今すぐ取材を受けられる状態ではありません」と説明しました。テレビ中継には、彼女がおにぎりを頬張る姿が映し出され、少しだけ安堵の表情を見せました。
阿部詩は今回の敗北を糧に、さらに強くなって帰ってくることでしょう。彼女の闘志と努力は、多くの人々に勇気を与えています。彼女の次なる挑戦に期待が寄せられています。
阿部詩の悲劇的な敗北と兄・一二三の奮闘は、パリ五輪の舞台で多くのドラマを生み出しました。彼らの物語は、これからも日本柔道界に語り継がれていくことでしょう。
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