反町隆史、26年ぶり『GTO』決意した3つの理由 娘の留学で知った“海外の教育”もヒントに
2024/03/27

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1998年に放送された反町隆史主演の連続ドラマ『GTO』は、藤沢とおる氏による同名漫画が原作で、元暴走族の高校教師・鬼塚英吉が、破天荒な行動で生徒や学校の問題に体当たりでぶつかっていく学園ドラマ。全12話の平均視聴率(世帯)は28.5%、最終回は35.7%(関東地区 ビデオリサーチ調べ)と高視聴率を記録し、平成を代表する伝説のドラマとして今も語り継がれている。

そんな『GTO』が、26年の時を経て新作スペシャルドラマ『GTOリバイバル』(カンテレ・フジテレビ系 4月1日21:00~)として帰ってくる。令和の時代に反町演じる鬼塚が赴任するのは、私立相徳学院高校。暴露系インフルエンサー“裁ノカ笑”に怯えて学校生活を送る高校生たちに、鬼塚はどう向き合い、何を伝えるのか。

これまで続編に前向きではなかったという反町が、自ら声をかけ実現した『リバイバル』。26年ぶりの制作を決意したきっかけや、当時の生徒たちとの再会、そしてこの令和の今だからこそ伝えたい思いを聞いた。

俳優の反町隆史 撮影:渞忠之

かつては『GTO』続編に前向きではなかった

反町が主演を務めた『GTO』は、1998年に連ドラとして放送されたあと、1999年にスペシャルドラマ、映画が制作された。その後も続編のオファーが何度かあったものの、反町は「俳優として新しい作品を作っていきたいという思いもありましたし、過去の作品をまた作るのはどうなんだろうと前向きに捉えられませんでした」

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と乗り気ではなかったという。そんな考えを、3つの体験が変えた。

一つは、二人の娘を育てた父として「長女は春から大学生、次女は高校生なのですが、彼女たちから見る学校、大人、仲間が、僕が24歳で演じた鬼塚が見てきたものと違うと感じることが多かった」こと。2つ目は、『GTO』の主題歌で自身の代表作にもなった「POISON ~言いたい事も言えないこんな世の中は~」が、昨今「赤ちゃんが泣きやむ曲」として話題になったことから、改めて自分が書いた歌詞を見直す機会があり、「結構いいことを言ってるなと思ったんです。でも、今の時代にも通用するのかもしれない」と興味を持ったこと。そして3つ目は、反町が好きだった映画『トップガン』の続編が36年ぶりに映画『トップガン マーヴェリック』として公開され、「たくさんの作品に出演している中で、なぜ『トップガン』を復活させたんだろう」とトム・クルーズの選択に素朴な疑問を抱いたものの、「いざ見ると、新作をやるってすごいことだなって。内容はもちろん、俳優としての生き様に共感できたんです」と感銘を受けたこと。

それらの思いが結集し、「今なら『GTO』を届ける意味があるんじゃないか」という決意につながった。「鬼塚は、ただ演じるだけではなく、訴えたいことがなければできない。今なら、鬼塚として世に伝えられることがあると思って『久しぶりにどうですか』と声をかけさせていただきました」。

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生徒役キャストらとのLINEグループに送られてきたもの

26年ぶりの『GTO』復活。プロデューサー、脚本家をはじめとする制作陣の「いいものを作りたい」という熱意も並大抵のものではない。まずはそれぞれが考える『GTO』を一致させる作業が必要となり、“準備稿”が異例の12稿に至るほど、脚本が完成するまでかなりの時間を要したという。

『GTO』の船頭として反町が一貫してこだわったのは、当時の視聴者を裏切らないこと。新しい『GTO』を見せるのではなく、「これがGTOだよね」と思ってもらえることを第一に考えたと話す。当時の『GTO』で生徒役を務めた池内博之、山崎裕太、窪塚洋介、徳山秀典、小栗旬が出演することも、その仕掛けの一つともいえる。一同の撮影は2日間ほどだったが、特別な会話を交わさずとも、皆が「懐かしいな」と感じる当時の空気感が蘇ったとか。「僕が忘れていることを山崎くんが覚えていたり、LINEのグループを作ったんですけど、池内くんが当時の撮影スケジュール表を送ってきて『なんで今も持っているんだよ』ってビックリしたりして。それだけ皆が『GTO』を大事にしていて、26年間、愛情や思い出を背負ったままでいてくれたと知れてうれしかったですね」と反町は目を細める。

長い構想期間の中で少しずつ鬼塚が自分の中に戻ってくる感覚があり、クランクインでは「これだな」と、26年前と変わらぬ鬼塚を無理なく演じられたと、自信をのぞかせる反町。

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現場では「とにかく熱く」と口にした。「ストーリーも熱く、芝居も熱く、僕自身も鬼塚も皆も、“熱く”ぶつかるのが『GTO』。このエネルギーが見ている人にも伝わって、きっと『いいな』と思っていただけるはず」。

娘の留学がきっかけで現在の教育現場に興味

今、鬼塚として伝えたいことを聞くと「生徒に対しての愛情です」と即答。反町は、娘の留学を通して、アメリカの教師が生徒へかける愛情の手厚さ、褒めて接する文化に日本とのギャップを感じたという。そのカルチャーショックもあり、「今の日本を生きる子どもたちには、尊敬できる先生はいるのか、親身に考えてくれる先生はいるのだろうかと気になって。生徒の目線に立って愛情を注ぐのが、鬼塚英吉。令和の今も変わらず、そこは大事にしたい」と『リバイバル』で打ち出したい方向性が定まった。当時の『GTO』には、中尾彬演じる内山田教頭が口にした“クズ”という言葉に鬼塚が怒るという象徴的なシーンがある。「“クズ”という言葉にすぐ反応する、何も変わっていない鬼塚を表現できれば」。そんな思いから、今作では、同じ教頭の富士山田を演じる小手伸也に、“クズ”という台詞を言ってほしいと反町自らリクエストした。

鬼塚英吉を通して反町隆史が伝えたいこと

子どもたちにとって、どんな鬼塚でいたいか。「自分もそうだったと思うのですが、子どもは皆、この先自分がどうなるのか、大人になったときどんな社会になっているのか不安じゃないですか。

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不安を抱えた集団の中で、うまくやっていくことって難しいと思うんです。だから子どもが間違っていたり、いけない一線を越えてしまったら、大人は見て見ぬふりをせず、必ず介入しなきゃいけない」。それをやってのけるのが、鬼塚だ。「見ていただく方にとって、ヒントになったり、感じていただけることがあれば」。鬼塚が生徒に訴えかける台詞の中には、反町が紡いだ言葉も織り交ぜられている。

「『相棒』や大河でいろいろな役を演じて来て、また鬼塚を演じられることが本当にうれしい」と語る反町。ただ昔の作品を掘り起こすのではなく、“今伝えたいことがあるから”という意義のある復活に喜びを感じている。「鬼塚には、人より偉くなりたいという野心はなくて、ただ『傷ついてる生徒を、今放っておいちゃいけない』という思いで教師をやっている。それが鬼塚の生き様。26年前と比べて“誰かを助ける手”を差し伸べにくい、令和という少し冷ややかな時代は鬼塚にとって普通じゃない」。そんな時代が、グレートティーチャー・鬼塚を呼び戻した。「鬼塚が伝えたいことは、僕自身が伝えたいこと。昔も今も変わらず大事なのは『愛情』だと。鬼塚英吉というキャラクターを通して、世の中にメッセージを投げかけられる『GTO』は、僕にとって言葉にならない価値のあるドラマです」。

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