「どうしても、こうなっちゃうんだよなぁ~」当時のドライバーたちは、皆同じように笑いながら言っていた。カセットテープが踏切の近くに来ると、何故か音が途切れたり、ノイズが入ったりすることがしばしばあったのだ。それはまるで、踏切自体が何かの不思議な力を持っているかのように、音楽の流れを邪魔していた。
その現象が特に顕著だったのは、アラベスクの「Hello Mr. Monkey」が流れる時だった。軽快なビートに乗せて、楽しい気分で運転していたはずが、いきなりガタンと音が途切れる。
あの時代、車に乗るときの必需品はカセットテープだった。車のダッシュボードには、お気に入りのテープがぎっしり詰まっていた。ノーランズ、ジンギスカン、ブロンディ、ボニーM――それらはすべて、昭和のドライブを彩る重要な伴侶だった。特にノーランズの「I'm in the Mood for Dancing」は、多くの人にとって、踏切を越える際に鳴り響いていた定番曲だった。
「踏切を渡るとき、どうしてもノーランズをかけたくなるんだよね」と友人たちと笑い合った日々があった。車のスピーカーから流れるその軽快なリズムに合わせて、自然と車内は盛り上がり、踏切の音すらリズムの一部のように感じられた。
しかし、カセットテープには“苦労”もつきものだった。
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