2004年4月26日、雅子妃がご両親のいる軽井沢から帰京された時期、それは雅子妃の症状が最も悪化していたと言われる頃でした。そして5月10日、投宮御所の檜の間で行われた会見に登場した皇太子殿下は、いつもの落ち着いた表情を保ちながらも、徐々にその表情が緊張の色を帯びていきました。その場で皇太子殿下は、雅子妃のキャリアや人格が否定されるような動きがあったことを告白し、その発言は会場にいた全員を驚愕させました。

記者たちはすぐに反応し、「人格を否定するような動きとは、具体的に何を指しているのか」

という質問が飛び交いました。皇太子殿下は慎重に言葉を選びながら、「細かいことは控えますが、外国訪問が許されなかったことなどが含まれています」と述べ、その場の空気は一気に張り詰めました。天皇陛下は、この発言に対して非常に驚かれたことが後に明らかになり、国民に説明を求められるほどの重大な発言だったのです。

その後、宮内庁は皇太子殿下の発言に対する説明を発表しましたが、その内容は雅子妃の孤立と希望の喪失を示唆するものであり、彼女がいかに過酷な状況に置かれていたかが浮き彫りになりました。さらに、雅子妃が適応障害という診断を受け、その病名が公表されたのは、まさにこの時期でした。

雅子妃の苦しみは皇室内でも波紋を呼び、皇太子殿下の発言によって治療環境が整えられたものの、多くの摩擦も生まれました。特に、2004年12月23日に天皇陛下が71歳の誕生日を迎えられた際、皇太子殿下の発言について初めて公にコメントされ、その内容は「非常に驚いた」というものでした。天皇陛下は、雅子妃が公務と育児の両立に苦しんでいることを心配されており、そのために公務を減らすようにとの配慮も示されていましたが、皇太子殿下の発言がいかに彼女を守りたいという強い思いから来ているかが感じ取れました。

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