1605年、徳川家と豊臣家の最終決戦となった大阪夏の陣で、豊臣家は滅亡しました。徳川家康はすでに幕府を開き、天下人としてその地位は揺るぎないものとなっていたにもかかわらず、なぜ豊臣家を滅ぼす必要があったのでしょうか？しかも、家康は自分の孫娘を豊臣秀吉の息子、秀頼に嫁がせているにもかかわらずです。

豊臣家が家康にとっての脅威であり続けた理由

まず第一に考えられるのは、豊臣家が依然として大きな勢力を持ち続け、徳川家の支配を脅かす存在であったことです。秀吉の死後、徳川家康は政権を掌握しましたが、豊臣家は依然として高い地位にあり、豊臣秀頼とその母である淀殿は、いずれ自分たちが天下を取り戻すことを夢見ていました。この状況が、家康にとっては非常に危険であり、豊臣家がいつ反乱を起こすか分からないという不安を抱かせていたのです。

さらに、秀頼と淀殿が豊臣家の復権を夢見ていたことは、家康にとって耐えがたいものでした。家康は、秀頼と淀殿に対して豊臣家の立場を再確認させようとしましたが、彼らはその立場を受け入れず、むしろ自分たちが再び天下を取るという幻想を抱き続けていました。家康にとって、豊臣家が依然として「別格」であると信じていることは、将来的な反乱の火種となりかねませんでした。

豊臣家を滅ぼす必要性

次に考えられる理由は、家康が豊臣家の存在そのものを脅威と見なしていたことです。

豊臣秀吉は、低い身分から天下人にまで上り詰めた人物であり、彼の成功は多くの者にとって希望と励みとなりました。しかし、家康にとっては、この「成り上がり」こそが脅威でした。秀吉の遺した豊臣家は、その出自が武家とは異なるものであったため、家康はその存在を完全に消し去ることで、自らの支配を確立しようと考えたのです。

また、豊臣家が調停の権威を持つ存在であったことも、家康にとっては厄介なものでした。

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