「長い間、売れなかったのは事実です。ただ、あの日々が『下積み』だったとは思っていません」
4月期ドラマ『ミス・ターゲット』(ABCテレビ・テレビ朝日系)で、本気の婚活に臨む結婚詐欺師の朝倉すみれ役で主演を務めている松本まりか(39)。意外にも本作がデビュー以来、初のGP帯(午後7〜11時)連続ドラマ主演となる。
「デビュー作の反響がよかったんです。そこで『絶対売れるよ』と周囲にチヤホヤされ、期待してしまった。でも後は下降する一方。長い間、デビュー作を超える作品を生み出せずにいました」
松本のドラマ初出演は15歳のとき。『六番目の小夜子』(NHK・’00年)で演じた学級委員長役が評判となり、滑り出しは好調に見えた。だが、その後は同年代の役者が国民的な俳優へと成長していくのを横目に、オーディションを受けては落ちる日々を送っていた。
「私の輝けなかった20〜30代を一言で表すなら、″究極に退屈な時間″でしょうか……。自分の存在意義は何なのかと、ずっともどかしさを感じていました。あの期間を『下積み時代』と言われることもありますが、違和感があります。まるで私だけがチャンスに恵まれず、大変な思いをしていたかのように聞こえるからです。俳優として成功した友人たちの努力と苦悩を、私は間近で見ていました。
自分の未熟さを不甲斐なく感じていた。そんな自分が簡単に売れてもきっとうまくいかない、しっかり実力がついてから売れるようになりたい――そう思って、輝けなかったあの期間は自分を磨き続けてきただけ。だから、自分が特別に苦労していたみたいな、けっしてそんな”シンデレラストーリー”ではありません」
もがき苦しんだ無名時代を、今ではポジティブに捉えている。
「順風満帆の人生だったらけっして知ることのできない人の弱さや痛みを、他者からも自分からも認められなかったあの時代に思い切り味わうことができた。役者としてのテクニックでは演じることのできない痛みを、身をもって知ったからこそできる演技がありました」
引用元:https://twitter.com/womeninthelakes/status/1794926504729579664,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]