はじめに、今からおよそ110年前、明治時代末期に朝鮮半島を訪れた一人の日本人がいました。彼は衆議院議員として、視察のためにこの地を訪れました。そして、彼がそこで見たのは、日本の常識とは全く異なる、驚くべき朝鮮半島の姿でした。
この日本人、荒川五郎は、視察の後、1906年に『最近朝鮮事情』を出版しました。荒川は、1865年に江戸時代末期に生まれ、優秀な成績で日本法律学校を卒業し、中国新聞社で主筆として活躍した後、衆議院議員として政治の世界に進出しました。さらに、教育者としても活躍し、日本大学中学校の校長を21年間も務めました。
この書籍が出版された時期、朝鮮半島は日本の保護国となっており、日韓併合直前の状況が描かれています。荒川は、そのような時代背景の中で朝鮮半島を視察し、その見聞を本にまとめました。
荒川五郎が見た朝鮮半島は、日本とは異なる風景や人々の習慣に満ちていました。彼はまず、地理的な近さにもかかわらず、日本人が朝鮮半島についてあまりよく理解していないことを指摘しました。日本から釜山までの距離はわずか一夜で到達できるほどの近さですが、その文化や生活様式は日本とは大きく異なっていました。
荒川は、現地の人々がどのように日常生活を送っているかを詳細に描写しています。
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