1605年、大坂夏の陣で豊臣家が滅亡しました。しかし、徳川家康は既に幕府を開き、天下人としての地位を確立していたにもかかわらず、なぜ豊臣家を滅ぼす必要があったのでしょうか。それには、豊臣家の存在が徳川政権にとって大きな脅威であり続けたこと、そして豊臣家が家康の期待を裏切り続けたことが背景にあります。

豊臣家の立ち位置

豊臣家は、豊臣秀吉が築いた巨大な権力を背景にしており、その影響力はまだ根強く残っていました。秀吉の死後、豊臣家は表面的には徳川政権に従っていましたが、実際には豊臣家が依然として自分たちを特別な存在と信じ続けていました。この状況に対し、家康は豊臣家に現実を認識させようと試みます。

1611年の二条城会見では、家康は秀頼と直接対面し、豊臣家の立場を改めて認識させようとしました。しかし、秀頼とその母、淀殿は自分たちが依然として別格であり、いずれ政権が戻ると信じていました。このような甘い考えを持ち続ける豊臣家に対し、家康は次第に強硬な手段を取るしかなくなっていきます。

豊臣家が政権を脅かす存在

豊臣家の影響力が依然として残っていることは、徳川政権にとって重大な脅威でした。豊臣秀吉は、低い身分から一気に天下人へと駆け上がり、天下統一を果たしたが、その血筋や家柄は他の武家とは異なり、正統性に欠けていました。秀吉はその欠点を補うため、さまざまな手段を使って自らの地位を固めましたが、その存在自体が徳川家にとっては不安定要因でした。

家康は豊臣家を滅ぼすことで、政権の安定を図り、さらに豊臣家の存在によって生じる潜在的な反乱の種を摘み取ろうとしました。豊臣家を存続させれば、いずれ再び政権を揺るがす動きが出る可能性が高く、そのリスクを避けるためには、豊臣家を完全に排除する必要があったのです。

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