幕末といえば、日本の歴史の中でも激動の時代。黒船来航、大政奉還、戊辰戦争など、大きな歴史的事件が教科書に詳しく記載されています。しかし、これらの事件の影には、私たちがあまり知らない「不都合な真実」が隠れているのです。今回は、幕末の時代において教科書では教えられない、武士や庶民たちのリアルな生活事情や、世間に広まった誤解について解説していきます。
幕末には、坂本龍馬や高杉晋作といった有名な脱藩浪士たちが活躍しました。しかし、「脱藩」という行為は、主君に対する裏切りとされ、厳しい罰が科されるものでした。実際、脱藩した武士が処刑されたり、家族が責任を取らされるケースも少なくありません。しかし、すべての脱藩者が同じ運命を辿ったわけではありません。
たとえば、坂本龍馬の脱藩が描かれる際には「家族が自害した」といった悲劇的なエピソードが強調されがちですが、実際にはそうではなかったのです。龍馬が脱藩した際、彼の家族は大きな影響を受けることなく生活を続けていました。また、藩を出た脱藩者たちも、全国指名手配されることなく、時には捕まっても軽い処罰で済むことが多かったのです。
奇兵隊といえば、志の高い一般庶民が集まった部隊として知られています。しかし、その実態は少し違います。確かに、農民や町民といった武士階級以外の者も参加していたものの、隊内には身分による厳格な区別が存在していました。農民たちは武士たちと同じ装備を持つことはできず、特権階級の影響は依然として残っていたのです。
さらに、奇兵隊の隊員たちは必ずしも志高い者ばかりではありませんでした。むしろ、家の跡継ぎになれない次男や三男が強制的に徴用されたり、脅されて参加したケースも多くありました。そのため、訓練に耐えきれず脱走する者も少なくありませんでした。
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