明治時代末期に朝鮮半島を旅した日本の政治家、荒川五郎が書き記した『最近朝鮮事情』を紹介したいと思います。この本は日本が日露戦争に勝利した直後に出版され、当時の朝鮮半島の驚くべき姿を日本人に伝えました。
荒川五郎は1865年に生まれ、日本法律学校を首席で卒業後、中国新聞社の主筆として活躍しました。1904年に日本の衆議院議員に当選し、翌年に日本が日露戦争に勝利した背景から、朝鮮半島の情報を日本に伝える目的で『最近朝鮮事情』を出版しました。日本が朝鮮半島を保護国とした後、日本国内ではこの国の実情についての理解が乏しかったため、ガイドブックのような形でこの本が執筆されました。
釜山に上陸した荒川は、車窓から広がる山々の禿げている様子や、河川氾濫のたびに荒れ果てる田畑を見て、朝鮮半島には山も川も豊かではないと感じました。日本では河川管理に予算を費やし、被害を防ぐための対策が施されていますが、朝鮮半島ではそのような取り組みが乏しく、一度大雨が降ると広範囲の作物が被害を受ける状況でした。
荒川は朝鮮の人々について、外見は日本人とよく似ているが、雨の日や寒い日には働かず、雑談をして過ごす習慣があると述べています。特に雨具の用意が少ないため、雨の日には仕事ができない状況も見受けられました。また、飲料水の質も悪く、赤く濁った水をそのまま使うという問題もありました。
日本から朝鮮に訪れた人々が最も困るのは現地の衛生環境でした。道には様々なものが散乱し、家庭内でも衛生状態は良くありません。狭い通りでは悪臭が漂い、家の中からも不潔なものが流れてくる状況でした。しかし、現在では日本人の宿屋も多く見られ、旅行者は以前のような困難を経験することは少なくなっています。
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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=LG7y5X1CWzc,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]