160年以上前の日本、特に江戸時代末期に訪れた外国人たちが目にした日本は、どのようなものであったのでしょうか。ペリー提督と共に、日本史に重要な足跡を残したアメリカの外交官タウンゼント・ハリスが、当時の日本をどのように捉えたのか、その日記をもとに当時の日本の姿を探ってみましょう。
1856年、8月のある日。アメリカから派遣された初代日本領事タウンゼント・ハリスは、江戸時代の日本に足を踏み入れました。当時、日本はペリー提督が来航してからわずか数年しか経っておらず、鎖国体制を緩和し始めたばかり。ハリスは日米修好通商条約の締結という重大な任務を抱え、日本に滞在しました。
彼の日記には、最初に日本の島々が見えた時の感動が詳細に描かれています。大海原を航海していたハリスたちは、遠くに見える日本の土地に複雑な感情を抱きました。異国の地での生活に不安を感じつつも、彼が直面する新たな挑戦に期待感を持っていたことがうかがえます。
ハリスが到着した下田の町は、地震や津波の被害から完全に復興していない状況でしたが、それでも彼は日本人の清潔さや礼儀正しさに感銘を受けています。特に、労働者階級の人々が清潔で礼儀正しく、家も整然としている様子に驚いていました。世界中を旅してきたハリスにとって、貧しいながらも整った暮らしをしている日本人の姿は非常に印象的だったようです。
また、日本人が毎日風呂に入るという習慣にも驚きを隠せなかったようです。
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