現代では飛行機や新幹線を使って、誰でも手軽に旅行が楽しめます。しかし、江戸時代の旅はそう簡単なものではありませんでした。移動手段の主流は、なんと徒歩!例えば、江戸と京都を結ぶ東海道は492kmにも及び、昔の人々はその道を2週間かけて歩いたそうです。それほどの苦労をしてでも、なぜ彼らは旅に出たのでしょうか?今回は、そんな江戸時代の旅事情について詳しく解説しながら、驚くべき江戸時代の旅行の魅力に迫ります。
江戸時代の旅行の話をする上で、まず押さえておきたいのが「五街道」です。当時、物資を遠方へ運ぶ際には海路が使われていましたが、人々が陸上を移動するためには街道が不可欠でした。江戸幕府が1604年から整備を始めた五街道は、江戸の日本橋を起点とする、当時の重要な交通網でした。
しかし、この街道は庶民が旅行するために作られたものではありませんでした。街道の主な利用者は幕府の役人や大名たちで、宿場は彼らのために設けられたものでした。それでも時代が進むにつれ、庶民も観光目的で旅をするようになり、街道は徐々に社会インフラとしての役割を果たしていきました。
江戸時代の旅人たちは、さまざまな目的でこの街道を利用していましたが、特に人気があったのが「中山道」です。東海道に比べて中山道は、山道が多いものの、途中で大きな河川を渡る必要が少なく、雨で川が増水する心配がなかったため、旅慣れた人々の間で特に好まれていました。
現代の旅行では、スーツケースに必要なものを詰め込み、電車や飛行機に乗るだけで簡単に移動ができます。しかし、江戸時代の旅は徒歩が基本。そのため、旅人は荷物を最小限に抑える必要がありました。
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