日本の歴史には、美しさと強さを兼ね備えた女性たちが数多く存在しました。今回は、その中から特に印象的な4人の女性をご紹介します。

末弘ヒロ子

明治41年、日本で初めての一般人を対象としたミスコンテストが開催されました。定常美人写真募集と題されたこのコンテストは、アメリカの新聞社シカゴトリビューンの依頼で行われ、実に7000通もの応募がありました。その中で1等に輝いたのが、学習院初等科3年生の16歳、末弘ヒロ子さんでした。ヒロ子さんは小さな頃から舞踊やピアノを学び、美しさと才覚を兼ね備えたご令嬢でした。

しかし、コンテストへの参加が原因で学校を退学処分となるという厳しい運命が待っていました。

唐人お吉

初代アメリカ総領事タウンゼント・ハリスの妾として知られる唐人お吉。彼女はハリスの看護を務め、その後も人気芸者として活躍しました。しかし、異国暮らしのハリスを看護するために選ばれたことが彼女の運命を大きく変えます。お吉はその後、周囲の偏見と孤独から酒に溺れ、最終的には伊豆の土肥温泉で入水自殺を遂げてしまいました。その悲劇的な生涯は、現在も「唐人お吉」として語り継がれています。

朝吹磯子

明治22年生まれの朝吹磯子は、才色兼備の女性でした。英語が堪能で、歌人としても活躍し、テニスの腕前も一流でした。大正15年にはテニス選手権大会で優勝し、日本女子テニス界の草分け的存在となりました。

実業家の朝吹常吉と結婚し、芥川賞を受賞した朝吹真理子は彼女の孫です。磯子はその美貌だけでなく、知性と才能でも人々を魅了しました。

高岡智照

奈良県生まれの高岡智照は、12歳で大阪の芸者となり、その後東京の新橋で芸者として活躍しました。彼女は愛欲のもつれから自らの小指を切り落として締めをつけるなど、早熟で直情的な気質を持っていました。23歳で相場師と結婚し、アメリカやヨーロッパを外遊しましたが、離婚や自殺未遂を経験し、波乱に満ちた人生を送りました。最終的には出家し、多くの人々を魅了する存在となりました。

瀬戸内寂聴の小説『女徳』のモデルにもなっています。

結び

これらの女性たちは、それぞれの時代において美しさだけでなく、強い意志と個性を持って生きました。彼女たちの生涯は、現代にも多くの教訓と感動を与えてくれます。写真を見ると、彼女たちの美しさとともに、その生き様の強さを感じることができます。