江戸時代は「ミニ氷河期」と呼ばれる寒冷な期間で、冬の寒さは現代以上に厳しいものでした。隙間風が吹き抜ける長屋には限られた暖房器具しかありませんでしたが、江戸庶民は知恵と工夫で寒さをしのいでいました。
江戸時代は「商標記」と呼ばれる寒冷な期間で、特に気温が低かった時期が何度もありました。現代と比較しても、最も寒冷な時期では約5度も気温が低かったのです。そんな厳しい寒さの中、江戸の人々が最も身近に使っていたのが「火鉢」でした。
火鉢は灰の上で炭を燃やして暖を取るもので、金属製、木製、陶製などさまざまな種類がありました。町屋や長屋で暮らす庶民には木製で長方形の火鉢が最も利用されました。この火鉢は、炭の上にやかんを置いて湯を沸かしたり、簡単な料理をすることもでき、庶民にとって多機能なツールでした。燃料には高価な木炭ではなく、安価な「タド」(木炭の切れ端や粉末を固めたもの)が使われていました。
また、火鉢とともに利用されたのが「こたつ」です。江戸時代のこたつには「掘りこたつ」と「置きこたつ」の2種類がありました。掘りこたつは固定式で長屋には不便でしたが、置きこたつは移動式で庶民にも利用されました。さらに、小型で持ち運びができる「アンカ」も使われました。アンカは、炭を入れて布団や着物で手足を温める暖房器具で、特に屋外での防寒に重宝されました。
江戸時代の庶民たちは、季節に合わせて三種類の着物を用意していました。夏は一重、春や秋は裏地をつけた合わせ、そして冬は綿を入れた綿入れを着るのが一般的でした。真冬は綿入れ一枚では寒いため、下着や中着など何枚も重ね着して寒さをしのいでいました。
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引用元:https://youtu.be/U2VUfkqgEFM?si=dm6xUTNXAxCGIfuH,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]