2018年、大阪桐蔭高校の甲子園春夏連覇という偉業を達成し、その中心にいたのが根尾昂。ショートとピッチャーの二刀流で大きな注目を集め、プロ野球の世界へ華々しくデビューした。しかし、プロ入り後の彼は、期待されたような輝かしい成績を残せず、成長の兆しが見えないまま6年の月日が流れた。

プロでの結果が出ない彼に対し、「もう根尾に期待する人が少ない」と言われることが多くなった。しかし、その中で中日ドラゴンズの二軍投手コーチ、浅尾拓哉だけは彼に対する信頼を失っていなかった。浅尾コーチの言葉には、根尾が持つ可能性と、その未来への期待が込められている。

最強世代のエース、根尾の苦悩

アマチュア時代の根尾は、まさに「最強世代」を代表する選手だった。大阪桐蔭高校時代、藤原恭大や横川凱、柿木蓮とともにチームを全国制覇に導き、その卓越した才能からドラフト1位で中日に指名された。彼のプロ入り時は、日本ハム、ヤクルト、巨人も彼を狙っており、ショートとして球界を代表する選手になると期待された。

しかし、プロ入り後の彼は、期待されながらも伸び悩んでいた。二刀流は封印され、ショートから外野手へのコンバートを経て、2022年には投手と野手の二刀流に再挑戦。しかし、結果を残せないまま、2023年からは投手に専念。こうした起用法の不安定さも影響し、彼の成績は芳しくなかった。

このような状況の中、彼と同世代の巨人・戸郷翔征や日本ハム・万波中正がプロ野球界で頭角を現していく中、根尾はアマチュア時代の輝きを失い、停滞していると言われた。

浅尾コーチの期待とサポート

浅尾拓哉コーチは、そんな根尾に寄り添い続けてきた。

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