栗山英樹は、新庄剛志監督が率いる日本ハムファイターズの快進撃を早くから見抜いていた。チームはここ数年、下位に沈んでいたが、2023年シーズンは新庄監督の大胆な采配で再び注目を集めている。特に、9月前半の戦いを終えた時点でチームは2位に浮上し、新しい球場でのCS（クライマックスシリーズ）開催に向けて一丸となっていた。

新庄監督の下、多くの選手が能力を開花させたが、その代表格が清宮幸太郎だ。シーズン序盤のケガで出遅れ、一時はトレード要員と噂されたが、夏以降驚異的なペースでヒットを量産し、今やチームの主力として定着している。

その典型例が、8月14日のロッテ戦での「二者連続スクイズ」だ。この試合、新庄監督は2回表無死二・三塁の場面で、8番打者に初球からスクイズを命じ、それが成功。さらに9番打者にも同様の指示を出し、見事に得点を重ねた。この大胆な采配には、野球評論家や元監督の落合博満も「度胸がなければできない」と絶賛した。

こうした新庄監督の奇策を栗山英樹はすでに見抜いていた。彼は、新庄が監督に就任した当初からその采配力を高く評価していたのだ。

例えば、新庄監督はシーズン序盤にリリーフで起用していた金村投手を5月から先発に復帰させるという決断を下した。金村はその後、安定した成績を残し、先発ローテーションの一角を担うまでに成長。シーズン後半には勝利を重ね、新人王争いにも名を連ねるほどの活躍を見せている。

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