2023年9月15日、阪神タイガースは2005年以来18年ぶりにセントラルリーグ優勝を果たしました。この快挙を成し遂げたのは、2008年に一度退任した後、再び監督に就任した岡田明伸監督です。岡田監督はその就任1年目で見事にチームを優勝へと導きました。

岡田監督の改革

岡田監督が就任後、最初に手を付けたのは前任者の矢野昭宏監督が進めた野球スタイルの撤廃でした。岡田監督は、矢野時代の習慣や儀式を次々と廃止していきました。まず、試合の勝敗に関係なく選手が一列に並び、ファンに挨拶をする儀式を取りやめました。

「成列するのもなぁ、負けてグラウンドでお客様見たくないやろ」と岡田監督はコメントし、勝利にこだわる姿勢を示しました。また、ホームランを打った打者に大きなメダルをかける「トラメダル」の儀式も廃止し、「選手にメダルをかける時間があれば、次のことを考えるな」と述べ、対戦相手のベンチワークを見逃すことを嫌ったのです。

資料の持ち込み禁止

さらに、岡田監督はスコアラーがまとめた相手投手の配球や打者の打球方向などの詳細資料をベンチ内に持ち込むことを禁止しました。試合前に各コーチや選手が目を通すことを求め、「資料はあくまで参考。実際のゲームで全部使う必要なんてない」と強調しました。選手のコンディションは日々変わり、試合中に感じ取るべきだとする岡田監督の哲学がここに表れています。

ポジションの固定

岡田監督は選手起用でも改革を行い、ポジションの固定を進めました。矢野時代には、選手が複数のポジションを守ることで起用の幅を広げようとしていましたが、これが守備の不安定さを招いていたのです。

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