物語は藤原の信を失ってから3年が経過し、観光元年1004年の夏が舞台となります。都を間伐が襲い、水を巡る争いが頻発し、疲れ果てた人々が倒れる光景が描かれます。主人公の真(まひろ)は、父の屋敷で井戸が枯れ、命の危機を感じる中で、一条天皇が雨乞いを行う様子を目の当たりにします。
一条天皇が自ら雨乞いを行うのは200年ぶりのことでしたが、期待された成果はありませんでした。頼みの綱である安倍の春明もすでに高齢で、道長は彼に頭を下げます。春明は「私だけでなく、謝大臣様も何かを差し出さねば」と言い、道長は「私の命を10年やろう」と約束。これを受けて春明は雨乞いに取りかかり、ついに都に恵みの雨が降り注ぎました。
その頃、藤原の近藤の屋敷では、月に一度若を学ぶ会が催されており、真が手ほどきをしていました。ある日、真が小金若州の戦者木のつゆの歌の説明をしていると、泉式部という女性が現れ、彼女は後に恋多き女性として名を馳せることになります。
一条天皇は今は亡き藤原の貞子を思い、枕の導師を読み返していました。中宮藤原の明子もまた貞子の子供と暮らしており、天皇との関係が深まらないことに心を痛めていました。明子の母、源の智子はこの状況を打破するため、一条天皇に会いに行きますが、その願いは簡単には受け入れられませんでした。
明子は夫の道長に頼み、一条天皇との関係改善を図ります。道長は春明に相談し、春明は「今の道長は闇の中にいるが、いずれ必ず光が射す」と励まします。道長は藤原の雪なを招き、策を練るために助言を求めます。
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