映画やドラマで華々しく描かれる戦国時代の合戦。しかし、勝者だけが栄光を享受でき、敗者には過酷な運命が待っていました。特に、戦場で逃げ惑う落武者たちの生活は「生き地獄」と言っても過言ではありません。今回は、落武者たちの悲惨な運命にスポットを当て、そのリアルな生活に迫ります。

負けたら悲惨だった武士たちの運命

戦場で敗北した場合、まともに撤退できるのはほんの一握りの武士だけです。多くは混乱の中で散り散りになり、敵の追撃を恐れながら逃げ惑います。身分の高い武士と徴兵された足軽や農兵では、その運命は大きく異なります。

足軽や農兵は、負けたとしても故郷に戻ることができれば問題ありません。しかし、武士はそうはいきません。

自分の領地が敵の手に渡り、逃げる途中で略奪や襲撃に遭う可能性が高いのです。身分の高い武士は高価な武具や甲冑を身につけており、それが逆に目立つ原因となります。敵に見つからないようにするためには、人目を避けて山中に逃げ込むしかありませんが、それも容易ではありません。

落武者が味わった地獄のような暮らし

逃げ延びた落武者たちが直面するのは、飢えとの戦いです。持っていた食料が尽きれば、自然の中で食べ物を見つけるしかありません。しかし、食用の植物や動物を見つけるのは容易ではなく、満足な食事を得ることは難しいです。

飢えが限界に達すると、落武者たちは村を襲うこともありました。夜中に村に忍び込み、米などを盗むのですが、村人に見つかれば命はありません。そのため、落武者同士が集団で行動し、強奪を行うこともありました。これが、後に野党と呼ばれる集団へと発展していきます。

落武者が助かるケース

すべての落武者が悲惨な運命をたどるわけではありません。

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