奈良時代がなぜ短命に終わり、平安時代に移行せざるを得なかったのか、その真相について詳しく探っていきたいと思います。歴史のミステリーを追求するミステリーハンターのズンダモンが、その驚くべき理由を解明します。

奈良時代の政治的背景

奈良時代は710年から794年のわずか84年間しか続かず、その短さには多くの理由があります。まず、政治的な背景を見てみましょう。

奈良時代の初期、藤原不比等が大きな権力を握り、その死後は長屋王が力を持ちました。しかし、藤原氏の四兄弟が長屋王を排除し、藤原氏が再び権力を掌握します。ところが、737年に天然痘の流行で藤原氏の四兄弟が全員死亡し、政治の中枢に混乱が生じました。

藤原氏の後を受けて、聖武天皇と橘諸兄が政治を行いましたが、聖武天皇は仏教に偏り、実質的な政治は橘諸兄が担っていました。しかし、聖武天皇が娘の孝謙天皇に譲位し、孝謙天皇の母である光明皇后が実権を握ると、再び藤原氏の影響力が強まりました。

このように、奈良時代は藤原氏と他の勢力との権力闘争が絶え間なく続き、政局は不安定でした。藤原氏が再び権力を掌握するも、光明皇后の死後、藤原仲麻呂が力を持ちましたが、孝謙天皇が自ら政治を行うようになり、仲麻呂との対立が激化しました。

経済的な要因

次に、奈良時代の経済的な問題について見てみましょう。奈良時代の税制は非常に厳しく、庶民には重い負担がかかっていました。当時の税制は、土地を持つ者に対して収穫物の一部を納めさせる租、特産物を納める調、そして労役を提供する庸の三つが基本でした。

特に、庸の労役は庶民にとって大きな負担で、これにより多くの人々が故郷を離れて流浪の民となりました。奈良時代の中期から後期にかけては、租の税収も減少し、経済は困窮していきました。

これに対して、寺院や神社に土地を寄進することで税を免れる手法が広まり、結果的に国家の財政基盤はますます弱体化していきました。

記事はまだ終了していません。次のページをクリックしてください