写真は一瞬を切り取る芸術であり、その一枚が世界を変える力を持つことがあります。20世紀を中心に、歴史的な瞬間を捉えた写真の中には、人々の心を揺さぶり、世論を動かし、時に国際社会の対応を変えるものもありました。ここでは、そんな衝撃的な写真とその背後にあるストーリーを紹介します。

ベトコンゲリラの処刑（1968年）

エディ・アダムスによって撮影されたこの写真は、ベトナム戦争の冷酷な現実を世界に伝えました。サイゴンの街中で、警察官グエン・ゴク・ロアンがベトコンの兵士グエン・ヴァン・レムを射殺する瞬間を捉えたこの写真は、ピューリッツァー賞を受賞し、アメリカの戦争介入に対する世論に大きな影響を与えました。

グエン・ゴク・ロアンはその後アメリカに亡命し、1998年に癌で亡くなりました。

黒人青年へのリンチ（1930年）

この写真は、インディアナ州マリオンで起きた残虐なリンチの瞬間を捉えています。レイプと殺人の罪で拘留されていた黒人青年3名のうち、2名が白人群衆によって公開処刑されたのです。唯一生き延びたジェームス・キャメロンは、その後、アフリカ系アメリカ人の権利活動家として生涯を捧げました。この写真は人種差別の象徴となり、社会に大きな波紋を広げました。

ソウェト蜂起（1976年）

南アフリカのソウェトで発生した武装蜂起の際、警察に撃たれた13歳の少年ヘクター・ピーターソンの遺体を抱える少年の写真は、アパルトヘイト政策への国際的な非難を引き起こしました。この写真は、南アフリカの人権問題を象徴する一枚となり、世界中で大きな反響を呼びました。

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