中学の同窓会の季節がやってきた。今年の忘年会の案内が実家に届いた時、私は少々驚いた。案内にはこう書かれていたのだ。「全員参加、欠席は認めない。男子は会費1万円、現地集合。」幹事の名前は中学時代には全く交流のなかった女子で、連絡先は一切記載されていなかった。ただ、会場の店の名前と時間のみが記されていた。
一体どういうことなのか、地元の旧友に連絡を取ってみることにした。彼らから聞いた話は、予想を超える驚きのものであった。
幹事の女子は中学時代、卓球部に所属していた。
それに対して、当時のクラスメートたちは「バカバカしい」と一斉に無視することを決めた。幹事が企画した会には、中学時代の卓球部員で地元に残っていた3人だけが集まった。約20人分の食事を用意していた若女将は激怒し、残りのクラスメートたちを呼び集めに行かせたが、その結果、最初の一軒で警察が呼ばれ、すぐに逮捕される羽目になったのだ。
警察が出動する事態に発展したのは、幹事の女子が高額な会費を設定しながら、用意した食事の量が参加者数の半分しかなかったからだ。しかも、会費は通常の宴会よりも高額で、詐欺の疑いがかけられたという。事件が発覚したのは、去年の12月のことだった。
その騒動から数週間後、正月に帰郷した際に会場の料亭を訪れてみると、そこは何とラーメン屋に変わっていた。かつての料亭がまったく違う業態の店に変わっていたのだ。このラーメン屋がどのような味だったのかは、実際に足を運んだ人々の間で評判となっているようで、「美味かった」という声も聞かれる。
この一連の出来事は、同窓会の企画と実施における過信と無計画が引き起こした予想外の結末であった。幹事の女子が自らの立場を利用して同窓会を強引に企画し、その結果として多くのトラブルを招いたことがわかる。警察の出動という形で収束したこの騒動は、結局は地元のラーメン屋という新たな形で落ち着いた。
この事件を通じて、同窓会やイベントの企画においては、参加者全員が快く参加できるような配慮が必要であることを改めて考えさせられる出来事だった。