1990年代初頭、日本の自動車市場に新たな風を吹き込んだ一台があった。ホンダが満を持して送り出した「アコード・ワゴン(CB9)」である。1991年に発表されたこのモデルは、他のステーションワゴンとは一線を画する独自の魅力で多くの注目を集めた。
アメリカで誕生、日本で人気
アコード・ワゴンは、そのデザインと雰囲気が日本車らしからぬ「バタ臭さ」を持っていた。この要素は、アメリカのホンダチームによって主導された企画とデザインの成果である。アメリカで生産され、日本市場に「逆輸入」されたアコード・ワゴンは、当時の日本市場では異例の存在だった。そのアメリカンスタイルを強調するため、「U.S.アコードワゴン」として宣伝され、アメリカの風をそのまま日本に届けるような印象を与えた。
このアコード・ワゴンが爆発的な人気を博した理由は、荷物がたくさん積めるとか、走行性能が抜群だといった実用性だけではなかった。むしろ、そのスタイリッシュなデザインこそが消費者の心を捉えたのだ。シンプルでありながらエレガント、そしてどこか洗練された雰囲気を持つこの車は、当時の若者たちに「垢抜けたライフスタイル」を象徴する存在となった。
スペックよりもデザインの魅力
アコード・ワゴンに搭載されたエンジンは2.2リッター直列4気筒ガソリンエンジンであり、駆動方式はFWD(前輪駆動)のみというシンプルな構成だった。性能面では、ターボエンジンを搭載し、四輪駆動システムを持つ当時のライバル車と比較すると見劣りする部分もあった。しかし、アコード・ワゴンが持つ洗練されたデザインとアメリカ由来のスタイリングが、そうしたスペック面での劣勢を補って余りある魅力となったのである。
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