22歳の若さで手に入れたイタリアの名車、デ・トマソ・パンテーラ。見た目の鋭さ、エンジンの轟音、何もかもが「速さ」を感じさせるその姿は、当時の若者たちにとってまさに夢の象徴でした。特にGT-40に強く憧れていた私は、自分のパンテーラを理想に近づけるため、様々な改造を施しました。RX7のルマン用ミラーを装着し、ボディに濃紺のフォードストライプを入れるなど、細部まで自分好みに仕上げる作業は、時間と手間を惜しまぬほどの楽しみだったのです。
ドライブに出かける度に、パンテーラは視線を集め、まるで私と共に街を駆け抜けているような気分でした。夏の青空の下、田舎道を走り抜け、エンジンの唸りを聴きながら感じる自由は何物にも代えがたいものでした。
それは、25歳の夏、結婚の決意を固めたときでした。新たな家庭を築くにあたり、スポーツカーは現実的な選択ではありませんでした。パンテーラとの別れは寂しくもありましたが、私には大切な決断をする時が来ていたのです。
家族と共に新しい生活を始めるため、私はパンテーラを弟に譲ることにしました。彼もまた、この車に憧れを抱いていた一人であり、パンテーラを受け継ぐことで彼も夢を手に入れることができると感じました。
パンテーラを譲ったその年、私は新たに家族を迎え入れるために、人生初の新車であるポルシェ911カレラを購入しました。ファミリーカーとは言え、ポルシェ911カレラはそのスポーティなデザインと高性能エンジンで、やはり特別な存在でした。
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