ある秋の晴れた日、私は趣味のクロスカントリー走行を楽しむため、愛車のジープで東北の某県の山奥を訪れていました。その日も、悪路を駆け抜ける楽しさに浸りながら、山道を進んでいると、一台の営業車が側溝に前輪を落として立ち往生しているのを見つけました。車体には会社のロゴと電話番号が描かれており、車の周りには二人のリーマンが途方に暮れて立っていました。
「何かお困りですか?」と声をかけると、彼らは驚いたように振り向き、状況を説明してくれました。遠方の客先からの帰り道で道に迷い、狭い山道でUターンを試みたところ、誤って側溝にはまってしまったというのです。
私はジープの荷台から大型ジャッキやロープ、ウインチなどの救助道具を取り出しながら、「よかったら引っ張り出しましょうか?」と提案しました。彼らは大喜びで、「ぜひお願いします!」と感謝の言葉を口にしました。
道具を準備している間、二人の会話が聞こえてきました。中年の男性が「いやー、どうなることかと思ったけどな、助かったな。」と言い、若い方が「公衆電話ないからJAFも呼べないですしね。」と応じていました。しかし、その中年男性がタバコを取り出して吸い始めた時、少々イライラしましたが、黙って作業を続けることにしました。
ところが、ジャッキをセットしようとしてバンの下を覗き込んでいる時、その中年男性が小声で「しかしまあ、だせークルマだけどこんな時だけは役に立つんだなw」と言ったのです。それを聞いた若い方は「やめて下さいよ、助けてもらうのに何言ってんですか(焦)」と慌てて止めようとしましたが、中年男性は「大丈夫だよw」と笑っていました。
その瞬間、私は気が変わりました。
無言でジャッキを荷台に戻し、「気が変わった。自分たちでなんとかしてね。」とだけ言ってジープに乗り込みました。慌てて引き止める二人に「だせークルマでゴメンねー(^^)」と言い残し、その場を後にしました。
家に帰った後、私はバンの車体に書かれていた会社の電話番号に電話をかけました。「脱輪しているおたくの会社の車を助けようとしたら、こんな態度でこんなことを言われた。どういう社員教育をしているんだ。」とクレームを入れました。しかし、もちろん具体的な場所は教えませんでした。
結果的にDQN返しとなりましたが、少しスッキリした気持ちになりました。
このエピソードから学んだことは、感謝の気持ちと礼儀を忘れないことが、どれだけ重要かということです。人は助け合って生きていくものですが、その中には互いの尊重が必要不可欠です。今回の経験を通じて、改めてその大切さを感じました。
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=afXd7SDnx8A,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]